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脊椎手術加療について
整形外科
2023.01.30
大きくは除圧術と固定術の2つの方法があります
保存加療で症状が改善しない場合は手術加療を勧めます。
ただし、排尿障害、排便障害の場合は緊急的に手術が必要です。
腰椎椎間板ヘルニア
MED:内視鏡下椎間板摘出術
麻酔の種類 | 全身麻酔 |
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手術時間 | 40~60分 |
入院期間 | 4~7日間 |
手術痕の大きさ | 1.8~2.0cm |
PED/FESS:経皮的内視鏡下椎間板摘出術
麻酔の種類 | 全身麻酔 |
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手術時間 | 40~60分 |
入院期間 | 3~5日間 |
手術痕の大きさ | 0.7~1.0cm |
椎間板融解術(コンドリアーゼ注入療法)
麻酔の種類 | 局所麻酔 |
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手術時間 | 30分程度 |
入院期間 | 1泊2日 |
手術痕の大きさ | なし(椎間板穿刺のみ) |
靭帯下タイプには椎間板を蒸散させて、椎間板内を減圧する術式が可能です。
すべての椎間板ヘルニアには適応はありません。3ヶ月程度の経過を見る必要があります。
腰部脊柱管狭窄症 腰椎変性すべり症 腰椎変性側弯症
MEL:内視鏡下椎弓切除、内視鏡下椎弓形成術
麻酔の種類 | 全身麻酔 |
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手術時間 | 60分前後 |
入院期間 | 6~7日間 |
手術痕の大きさ | 1.8~2.0cm |
創部が小さく、背中の筋肉へのダメージが少ないため術後の痛みが少なく、早期退院が可能です。
PEL/FESS:経皮的内視鏡下椎弓形成術
麻酔の種類 | 全身麻酔 |
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手術時間 | 60~80分前後 |
入院期間 | 3~5日間 |
手術痕の大きさ | 0.7~1.0cm |
創部が小さく、背中の筋肉へのダメージが少ないため術後の痛みが少なく、早期退院が可能です。
PLIF・TLIF:腰椎後側方進入椎体間固定
麻酔の種類 | 全身麻酔 |
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手術時間 | 2時間~2時間半 |
入院期間 | 10~14日間 |
手術痕の大きさ | (従来法)15cm (内視鏡法)3cmと2cm×4ヶ所 |
腰椎の削った骨を再利用して固定します。メリットとして、確実に神経の圧迫を直視下に介助します。
XLIF:腰椎前方固定
麻酔の種類 | 全身麻酔 |
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手術時間 | 3時間 |
入院期間 | 2週間程度 |
手術痕の大きさ | 側腹部10cmと 背部2cm×4ヶ所 |
メリット:間接的に神経の圧迫を介助します。
デメリット:大腿部の痛みや症状と反対側の症状が出ることがあります。腸管損傷リスクや筋肉、神経、血管の位置により、別の術式を選択する必要があります。
内視鏡での固定、従来法での固定を患者さんの状態に合わせて治療します。
脊椎圧迫骨折(胸椎圧迫骨折 腰椎圧迫骨折)
経皮的後弯矯正術(Balloon Kyphoplasty)BKP
麻酔の種類 | 全身麻酔 |
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手術時間 | 1時間程度 |
入院期間 | 1週間程度 |
手術痕の大きさ | 5mm×2ヶ所 |
圧迫した椎体に専用の風船を膨らませることでつぶれた椎体をジャッキアップします
デメリットは隣接した椎体が更につぶれることがあります。
上下の椎体の圧迫骨折の予防としての骨粗鬆症を併用して行っていきます
頚椎症性神経根症 頚椎椎間板ヘルニア
後方手術
麻酔の種類 | 全身麻酔 |
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手術時間 | 1時間半前後 |
入院期間 | 10~14日程度 |
手術痕の大きさ | 4cm~8cm程度 |
椎間孔拡大術 症例に応じて内視鏡もしくは従来法で椎間孔を拡大します
前方手術
麻酔の種類 | 全身麻酔 |
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手術時間 | 1時間半前後 |
入院期間 | 10~14日程度 |
手術痕の大きさ | 4cm前後 |
顎の前側方から筋肉をよけて椎間板を切除し、椎体を固定します
頚椎症性脊髄症
頚椎椎弓形成術
麻酔の種類 | 全身麻酔 |
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手術時間 | 1時間半前後 |
入院期間 | 10~14日程度 |
手術痕の大きさ | 8cm程度 |
多椎間の場合は頚椎後方手術を選択します。
筋組織の温存を考慮した展開を行い、黒川式、桐田宮崎式などの術式で対応しております。
症例により、固定術や前方固定術の併用をします。
手根管症候群
手のひらの神経のトンネル(手根管)の中の圧が高まることにより、中を通る正中神経が圧迫を受けることになり、母指(親指)から環指(薬指)の母指側半分、合計3本半の指がしびれるようになります(正中神経の支配領域)。さらに親指の付け根の筋肉が徐々にやせて、ものがつかみにくくなり、ものを落としたり、ボタンが掛け辛いといった症状がでます。患者さんの中には前腕や肘、肩の痛みや重だるさを訴える方もおり、頚椎症に似た症状であり、注意が必要です。
MRIや神経伝導速度を測定して確定診断します。当医療センターでは従来法だけでなく、内視鏡下手根管開放術も行っています。内視鏡下手術の利点は、手のひらを切開することがないため、術後のピラーペイン(手のひらの痛み)を軽減することが可能です。
当科では患者さんの病状・希望に応じて、手掌内小皮切や従来型の直視化手根管開放術、神経剥離術、再発例(多くは透析例)に対する滑膜切除、屈筋腱切除術なども行ってます。
神経に対する圧迫を取り除くため、手根管の一部を校正する屈筋支帯(靭帯)を切り離します。
内視鏡下手根管開放術
当医療センターでは、手首部分の皮膚を1cmほど切開し、内視鏡を用いて手術をしています。時間は20~30分程度です。手術創は5~7日程度で治ります。手のしびれがとれ、知覚が正常に改善する期間は、病気の程度などにより個人差があります。70%の患者さんは約1ヶ月半で正常に改善します。握力は、靭帯を切ることで一旦は落ちますが、ほとんどの場合6ヶ月程度で回復します。