脳神経内科
診療日
診療科紹介
高齢化社会をむかえ、一部の神経細胞が徐々に死滅してしまうために生じる神経変性疾患を有する患者さんの数は年々増加してきております。当脳神経内科は外来・入院ともに神経変性疾患の中で、運動障害を主とするパーキンソン病・その関連疾患(多系統萎縮症など)と、認知症を前景とするレビー小体型認知症・アルツハイマー病の患者さんが多いという特色を有しております。
神経学会専門医が火曜・水曜の午前に設けたパーキンソン病の専門外来(担当:古川)も含めて月曜から土曜まで毎日、運動障害・認知症・脳血管障害の患者さんを数多く診療しています。患者さんの生活の質を重視した診療を心がけており、センター内のリハビリテーション科・メンタル科および地域の医療機関・福祉施設の方々と連携を図り、個々の症例に適した急性期・慢性期の治療を行っています。日本神経学会および日本認知症学会の認定教育施設となっております。
神経学会専門医が火曜・水曜の午前に設けたパーキンソン病の専門外来(担当:古川)も含めて月曜から土曜まで毎日、運動障害・認知症・脳血管障害の患者さんを数多く診療しています。患者さんの生活の質を重視した診療を心がけており、センター内のリハビリテーション科・メンタル科および地域の医療機関・福祉施設の方々と連携を図り、個々の症例に適した急性期・慢性期の治療を行っています。日本神経学会および日本認知症学会の認定教育施設となっております。
対象疾患
脳・脊髄・末梢神経・筋肉の障害を呈する疾患全てが対象となります。入院に関しましては、神経変性疾患(パーキンソン病、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、多系統萎縮症、脊髄小脳変性症、レビー小体型認知症、アルツハイマー病、前頭側頭葉変性症、運動ニューロン疾患など)と脳血管障害(脳梗塞、一過性脳虚血発作、脳出血など)の患者さんが、全体の80%以上を占めております。
外来では、頭痛(緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛など)、良性発作性頭位性めまい、症候性てんかん、本態性振戦、各種のジストニー、三叉神経痛、末梢性顔面神経麻痺、変形性脊椎症、糖尿病性神経障害、他の末梢神経障害・神経痛、重症筋無力症などの患者さんも診療しております。また、眼瞼けいれん・半側顔面けいれんに対しては、ボツリヌス毒素療法も外来で施行しています。
必要に応じて、脳神経内科領域の特殊検査(頭部CT・MRI、PET-CT、心筋シンチグラフィ[下記参照]、DAT[ドーパミントランスポーター]シンチグラフィ[下記参照]、脳血流シンチグラフィ、頚動脈エコー、脳波、筋電図、末梢神経伝導検査、誘発電位検査など)を行い、診断・治療に結び付けています。
外来では、頭痛(緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛など)、良性発作性頭位性めまい、症候性てんかん、本態性振戦、各種のジストニー、三叉神経痛、末梢性顔面神経麻痺、変形性脊椎症、糖尿病性神経障害、他の末梢神経障害・神経痛、重症筋無力症などの患者さんも診療しております。また、眼瞼けいれん・半側顔面けいれんに対しては、ボツリヌス毒素療法も外来で施行しています。
必要に応じて、脳神経内科領域の特殊検査(頭部CT・MRI、PET-CT、心筋シンチグラフィ[下記参照]、DAT[ドーパミントランスポーター]シンチグラフィ[下記参照]、脳血流シンチグラフィ、頚動脈エコー、脳波、筋電図、末梢神経伝導検査、誘発電位検査など)を行い、診断・治療に結び付けています。
トピックス
MIBG心筋シンチグラフィ
MIBGという物質を注射して心臓の撮影を行いますと、病理学的にレビー小体の出現を特徴とするレビー小体病(パーキンソン病・レビー小体型認知症など)では集積が低下しており、この低下はパーキンソン病に似た症状や認知症を呈する他の神経変性疾患(多系統萎縮症・進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症・アルツハイマー病など)では一般的に認められないため鑑別診断に有用です。
DAT(ドーパミントランスポーター)シンチグラフィ
FP-CIT(ダットスキャンと命名された物質)を注射してから頭部の撮影を行い、パーキンソン病および関連変性疾患で障害される黒質線条体ドーパミン神経の終末部の状態を画像化する検査です。これらの疾患ではドーパミン神経終末数の低下が認められ、本態性振戦・薬剤性パーキンソニズム・アルツハイマー病等との鑑別診断に有用です。
脳神経内科よりドーパ反応性ジストニア(DRD)の診断・治療指針に関する最新の論文発表(2019.3.5)
DRD(主病型であるGTPシクロヒドロラーゼ1欠乏性DRD)の診断・治療指針改訂版を、アメリカ国立衛生研究所(NIH)の国立生物工学情報センター (NCBI) に掲載致しました ( www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK1508/ )。
DRDは遺伝性のパーキンソン病関連疾患で、ジストニア・パーキンソン症状に比較的少量(1日量で300~400 mg以下)のレボドーパ/脱炭酸酵素阻害薬が著効することを特徴としております。
この疾患に関しまして受診希望の方がおられましたら、脳神経内科のパーキンソン関連外来(火曜午前・水曜午前:担当古川:ジストニー・パーキンソン関連主要論文)をご予約下さい。
脳神経内科が認知症予防の一助として注目していたスマートフォンゲーム がスポーツ庁の「Sport in Life」に認定(2019.8.3)
この7月スポーツ庁は、生活スタイルに運動を取り入れることを推奨する「Sport in Life」プロジェクトの認定第1号としてスマホアプリ「ポケモンGO」を運営するNiantic Inc.を認定しました。
脳神経内科ではポケモンGOが話題となった2016年より、この様なゲームが屋外での運動および人との交流を促進し、高齢者の健康増進・認知症予防の一助となる可能性に注目し報告してまいりました (順天堂63-5-古川芳明)。
当科では物忘れ・軽度認知障害から血管性認知症・レビー小体型認知症やパーキンソン病に伴う認知症・アルツハイマー病まで幅広く診療を行っておりますので、受診希望の方がおられましたら脳神経内科の初診外来をご予約下さい。
レビー小体型認知症外来開設のご案内(2021.4.30)
当医療センター脳神経内科は、御入院なさる患者さんの約65%が神経変性疾患であり、特にレビー小体病(パーキンソン病・レビー小体型認知症など)の方々が多いという特徴を有しております (診療実績参照)。この為、パーキンソン病関連外来に加えまして、木曜午前と金曜午後にレビー小体型認知症外来(担当:志村)を開設致しました。
レビー小体型認知症は、記憶障害・認知機能の変動・幻視・レム睡眠行動障害・パーキンソン症状等が認められる病気で、診察所見と上記MIBG心筋シンチグラフィー・DATシンチグラフィー等の結果を踏まえて診断致します。必要に応じて、メンタルクリニック・医療サービス支援センター等と協力して診療を行っておりますので、御心配な点がございましたら、いつでも御相談下さい。
MIBGという物質を注射して心臓の撮影を行いますと、病理学的にレビー小体の出現を特徴とするレビー小体病(パーキンソン病・レビー小体型認知症など)では集積が低下しており、この低下はパーキンソン病に似た症状や認知症を呈する他の神経変性疾患(多系統萎縮症・進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症・アルツハイマー病など)では一般的に認められないため鑑別診断に有用です。
DAT(ドーパミントランスポーター)シンチグラフィ
FP-CIT(ダットスキャンと命名された物質)を注射してから頭部の撮影を行い、パーキンソン病および関連変性疾患で障害される黒質線条体ドーパミン神経の終末部の状態を画像化する検査です。これらの疾患ではドーパミン神経終末数の低下が認められ、本態性振戦・薬剤性パーキンソニズム・アルツハイマー病等との鑑別診断に有用です。
脳神経内科よりドーパ反応性ジストニア(DRD)の診断・治療指針に関する最新の論文発表(2019.3.5)
DRD(主病型であるGTPシクロヒドロラーゼ1欠乏性DRD)の診断・治療指針改訂版を、アメリカ国立衛生研究所(NIH)の国立生物工学情報センター (NCBI) に掲載致しました ( www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK1508/ )。
DRDは遺伝性のパーキンソン病関連疾患で、ジストニア・パーキンソン症状に比較的少量(1日量で300~400 mg以下)のレボドーパ/脱炭酸酵素阻害薬が著効することを特徴としております。
この疾患に関しまして受診希望の方がおられましたら、脳神経内科のパーキンソン関連外来(火曜午前・水曜午前:担当古川:ジストニー・パーキンソン関連主要論文)をご予約下さい。
脳神経内科が認知症予防の一助として注目していたスマートフォンゲーム がスポーツ庁の「Sport in Life」に認定(2019.8.3)
この7月スポーツ庁は、生活スタイルに運動を取り入れることを推奨する「Sport in Life」プロジェクトの認定第1号としてスマホアプリ「ポケモンGO」を運営するNiantic Inc.を認定しました。
脳神経内科ではポケモンGOが話題となった2016年より、この様なゲームが屋外での運動および人との交流を促進し、高齢者の健康増進・認知症予防の一助となる可能性に注目し報告してまいりました (順天堂63-5-古川芳明)。
当科では物忘れ・軽度認知障害から血管性認知症・レビー小体型認知症やパーキンソン病に伴う認知症・アルツハイマー病まで幅広く診療を行っておりますので、受診希望の方がおられましたら脳神経内科の初診外来をご予約下さい。
レビー小体型認知症外来開設のご案内(2021.4.30)
当医療センター脳神経内科は、御入院なさる患者さんの約65%が神経変性疾患であり、特にレビー小体病(パーキンソン病・レビー小体型認知症など)の方々が多いという特徴を有しております (診療実績参照)。この為、パーキンソン病関連外来に加えまして、木曜午前と金曜午後にレビー小体型認知症外来(担当:志村)を開設致しました。
レビー小体型認知症は、記憶障害・認知機能の変動・幻視・レム睡眠行動障害・パーキンソン症状等が認められる病気で、診察所見と上記MIBG心筋シンチグラフィー・DATシンチグラフィー等の結果を踏まえて診断致します。必要に応じて、メンタルクリニック・医療サービス支援センター等と協力して診療を行っておりますので、御心配な点がございましたら、いつでも御相談下さい。
スタッフ紹介
古川 芳明(ふるかわ よしあき)
脳神経内科 科長 副院長
順天堂大学卒
順天堂大学医学部神経学 教授
専門分野
脳神経内科学一般、神経化学、神経遺伝学、パーキンソン病・ジストニー等、運動異常症の治療・新薬開発、脳神経の発達・老化の研究
学会・資格
日本神経学会 専門医・指導医、日本認知症学会 専門医・指導医
日本リハビリテーション医学会 認定臨床医
米国神経学会 コレスポンディングアクティブメンバー
世界遺伝性代謝性疾患学会 アクティブメンバー
トロント大学医学部神経科学部門特別研究員(元同大学医学部Associate Professor)
ジストニー・パーキンソン関連主要論文(2022)
順天堂大学卒
順天堂大学医学部神経学 教授
専門分野
脳神経内科学一般、神経化学、神経遺伝学、パーキンソン病・ジストニー等、運動異常症の治療・新薬開発、脳神経の発達・老化の研究
学会・資格
日本神経学会 専門医・指導医、日本認知症学会 専門医・指導医
日本リハビリテーション医学会 認定臨床医
米国神経学会 コレスポンディングアクティブメンバー
世界遺伝性代謝性疾患学会 アクティブメンバー
トロント大学医学部神経科学部門特別研究員(元同大学医学部Associate Professor)
ジストニー・パーキンソン関連主要論文(2022)
志村 秀樹(しむら ひでき)
順天堂大学卒
順天堂大学医学部神経学 先任准教授
専門分野
神経学
学会・資格
日本神経学会専門医・指導医
日本認知症学会専門医・指導医
日本リハビリテーション医学会専門医
日本内科学会総合内科専門医
順天堂大学医学部神経学 先任准教授
専門分野
神経学
学会・資格
日本神経学会専門医・指導医
日本認知症学会専門医・指導医
日本リハビリテーション医学会専門医
日本内科学会総合内科専門医
西岡 健弥(にしおか けんや)
東京医科大学卒
順天堂大学医学部神経学 准教授
専門分野
脳神経内科、慢性疼痛、パーキンソン病・症候群、認知症、神経遺伝学、神経分子病態の研究
学会・資格
日本神経学会専門医・指導医
日本内科学会認定医
順天堂大学医学部神経学 准教授
専門分野
脳神経内科、慢性疼痛、パーキンソン病・症候群、認知症、神経遺伝学、神経分子病態の研究
学会・資格
日本神経学会専門医・指導医
日本内科学会認定医
古谷 剛(ふるや つよし)
順天堂大学卒
順天堂大学医学部神経学 准教授
専門分野
脳神経内科
学会・資格
日本神経学会専門医・指導医
日本内科学会認定医・総合内科専門医
順天堂大学医学部神経学 准教授
専門分野
脳神経内科
学会・資格
日本神経学会専門医・指導医
日本内科学会認定医・総合内科専門医
穂坂 有加(ほさか ゆうか)
順天堂大学卒
順天堂大学医学部神経学 助教
専門分野
脳神経内科学一般
学会・資格
日本神経学会専門医
日本内科学会認定内科医
順天堂大学医学部神経学 助教
専門分野
脳神経内科学一般
学会・資格
日本神経学会専門医
日本内科学会認定内科医
濃沼 崇博(こいぬま たかひろ)
順天堂大学卒
順天堂大学医学部神経学 助教
専門分野
脳神経内科
学会・資格
日本神経学会専門医
日本内科学会認定医
日本認知症学会専門医・指導医
順天堂大学医学部神経学 助教
専門分野
脳神経内科
学会・資格
日本神経学会専門医
日本内科学会認定医
日本認知症学会専門医・指導医
診療実績
令和3年度
外来延患者数 | 13,950名(うち初診 490名) |
入院延患者数 | 11,066名(うち新入院患者数 279名) |
入院患者統計(令和元年度分)
神経変性疾患 | 229例 |
脳血管障害 | 57例 |
発作性疾患 | 12例 |
炎症性疾患 | 9例 |
末梢神経疾患 | 8例 |
内科疾患に伴う神経障害 | 7例 |
脱髄性疾患 | 4例 |
脊髄・脊椎疾患 | 3例 |
髄液動態異常 | 2例 |
筋疾患 | 1例 |
神経筋接合部疾患 | 0例 |
その他の疾患 | 14例 |