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腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)

2023.01.30

歩くと足が痛くなったりしびれたりして、少し休むとまた歩ける間歇性跛行という症状が特徴的な高齢者に多い腰の病気です。 これまで腰部脊柱管狭窄症310例(60~91歳、平均76.2歳、初回手術265例、他院も含め再手術45例)に顕微鏡下の片側除圧術(低侵襲手術)を行い良好な結果(改善269、不変41、悪化0)を得ています。この手術は金属など異物を用いることなく、脊椎の狭い部分だけを広げる方法で、手術時間は平均1時間半と短く、輸血の必要もなく、高齢の患者さんにも体への負担の少ない手術です。患者さんの満足度も、とても満足・ほぼ満足が84.3%、不満足は15.4%でした。手術の効果は間歇性跛行88.6%、腰痛71.6%、根症状(足の痛みやシビレ)62.9%で、特に歩行障害に効果があります。また75歳未満と75歳以上の高齢者を比較しても年齢による効果の差はみられませんでした。平均4年11ヶ月(3ヶ月から10年11ヶ月)の術後経過観察では28例に新たな狭窄や再発が見られ、うち18例に再手術をしています。腰部脊柱管狭窄症や変形性頸椎症は加齢に伴いゆっくりと進行する病気です。直接命にかかわることはありませんが、手術により生活の質(QOL)の改善が期待されます。